摂食嚥下障害の検査
水飲みテスト
水飲みテストは、さらさらした水を30ml飲んでもらい、上手に飲み込めるかどうかをチェックする検査です。検出力が高い検査ではありますが、「むせる」患者さんに必ず嚥下障害があるという訳ではありません。「むせない誤嚥(不顕性誤嚥)」を見逃すこともあるため、注意して観察する必要があります。
反復唾液嚥下テスト
反復唾液嚥下テストは、患者さんの嚥下時に喉頭(のどぼとけ)が上にあがることを触診で確かめ「30秒間に何回嚥下(飲み込むこと)ができるか」を調べる検査です。簡単で安全性が高い方法であるため、誤嚥スクリーニング検査や経過観察に適した方法です。 このテストでは、30秒間に3回以上の嚥下があれば正常と判断します。2回以下の場合には、嚥下障害の可能性があります。
嚥下造影検査
すでに嚥下障害が疑われる場合や病態が不明のときには、嚥下造影検査を行います。嚥下造影検査とは、体の中でも動きが確認できる「造影剤」を入れた検査食を飲み込んでもらい、口・のど・食道をどのように通過するか、嚥下時の全体的な動き、誤嚥の有無、食物が残っているかなどをX線で透視をしながら確認する検査です。万が一誤嚥があった場合には、しっかり自分で吐き出せるかを確認し、不可能であれば吸引を行います。
嚥下内視鏡検査
嚥下造影検査よりも手軽に行うことができ、ご自宅でも検査が可能です。鼻から入る細くて柔らかいファイバースコープで、喉の汚れの有無や動きを観察します。汚れていた場合には、口と喉のケアを徹底して実施し、喉にたまった唾液を吸引します。飲み込む力が正常であれば、嚥下する瞬間には画面が白く光り、詳しく中を観察することができません。その為、飲み込む瞬間に白い光を確認することができなければ、嚥下の力が弱っていると判断します。